新TOEIC TEST正解特急2 実戦模試編

2011年に刊行された「正解特急 ルール55」と対をなすTOEICの模試本です。もともとは一冊の本として出されたものですが、それが新書サイズになって分冊・改訂されました。内容は模試1回分とその解答・解説で構成されており、巻末にはスコアレンジとマークシートが用意されています。本が小さいため、Part7のダブルパッセージで文章と問題を同時に参照できないなど、本番とはどうしても勝手の違うところはありますが、慣れれば特に気にならなくなります（少なくとも私はそうでした）。この本の特徴は、何と言っても解説の充実ぶりに尽きます。各々の問題には難易度に加え「正解特急」で詳説されている "正解ルール" のどれに当てはまるのかが記載されており、何に気をつけて解くべきなのか一目で判るようになっています。「正解特急」とセットで読むとより理解が深まりますが、それが無くても一応のポイントは把握できるよう工夫されています。更に、語注の大半には類義語が併記されており、実際の試験で使える "言い換え" の勉強が効率的にできるようになっています。私の知る限り、公式問題集のほか大抵の模試本では、語注はあっても類義語までは書かれていなかったので、ありそうでなかったコンパクトな構成だと思います。模試については、前書きに「最新傾向に合わせて再編集した」と書かれていますが、大部分は前書からそのまま引き継がれているようです。そのためか、本番同様に時間を計って解いてみましたが、難しいと感じる問題は少なく、普段余ることのないリーディングの時間も余りました。難易度は新公式問題集Vol.5と同等か、それより若干易しい印象です。目標スコアが600点〜730点くらいの方にはちょうどいいレベルだと思いますが、上級者にはやや物足りなく感じてしまうかもしれません。新書サイズですので持ち運びしやすく、電車の中や仕事の休憩中、寝る前でも取り組みやすいです。まさに「特急」の名を冠するに相応しい、忙しい現代人に合った模試と言えるのではないでしょうか。