ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代 (1974年)

英国の政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作。本作の主人公であるホレイショ・ホーンブロワーはC・S・フォレスターの小説である「ホーンブロワーシリーズ」の主人公、つまり架空の人物なのですが、パーキンソンはホーンブロワーが実在の人物だったという設定で堂々とホーンブロワーの生涯を書き表してしまったのです。小説の内容の合間に巧みに架空のストーリーや人物をでっち上げて挟み込み、ご丁寧にホーンブロワーの肖像まで掲載された本作は、確かに力作と言わざるを得ません。この手の「ファンフィクション」は『シャーロック・ホームズシリーズ』などではしばしば見かけますが、ホーンブロワーにもそれだけ熱心なファンが多いということなんでしょう。日本でも某翻訳者による外伝が書かれてますし……。海軍士官候補生 (ハヤカワ文庫 NV 36 海の男 ホーンブロワーシリーズ 1)